From:新井翔平
昨日の記事の続き。
業界の裏話を暴露した内容になっているので、そのうち削除するかもです。。汗
ひょんなことから、大きな組織のマーケティング担当に抜擢された僕は、
舞い上がってました。
ステージアップのチャンスが来た!
ここで実績を作って、のし上がってやる!
って。
それに、
やることは、僕が個人代理店の時に投資を重ね、実験を重ね、
【メディア/マーケット/メッセージ】を見つけ出し、
【リード→フロントエンド→バックエンド】の仕組みを構築していたので、
正直、
簡単だと思っていました。
「たとえ規模が大きくなっても、やることは一緒」だと。
でも、
2カ月もすれば組織は完全な機能不全に陥っていました。
当初、僕が一番初めに指示を出したことが、全くと言っていい程機能しませんでした。
コンサルの仕事をする上で、
「最初」は肝心です。
ここで的確な指示をし、期待に沿った成果が出なければ、
その後の継続コンサルはあり得ません。
はっきり言って、機能不全に陥ってしまった原因は完全に僕の「人間力」の不足でした。
マーケティングをやっていれば、
ビジネスをやっていれば、
時として想定外の結果になることはあるものです。
学校の試験をやってるわけではありません。
大事なことは、想定外の結果や、失敗に直面しても、すぐさまその結果を受けて改善し、次のプロセスを試すこと。
でも、この時の僕の中にあった感情は、
「僕の時はできたのに、何でこの人たちになると出来ないんだろう?」
「僕は悪くない」
「この人たちが悪い」
と、他人に原因がある。
他責にしていました。
このマインドに陥っている以上、成長なんてするわけがありません。
今思えば、
もっと密に、コミュニケーションを取るべきだったし、
僕が仕組みを構築するまで体験した失敗を全て共有するべきだったし、
ただ指示を出すだけじゃなくて、
メンバーのなりたい未来に対してそれがどう関わるのか?
きちんと結びつけておく必要もあったし、
最初の施策が失敗したのなら、
何よりも素早く、素直に謝って、
この結果を受けて建設的な改善策を提案するべきだったし、、、、
僕が実践してきたダイレクトレスポンスマーケティングは、
素晴らしいスキルだと思います。
ただ、この時の僕はこれが万能だと思い過ぎていたのかも知れません。
もっと大事なことは、
ビジネスはどれだけ仕組み化しようとしても、
結局は「人」がその仕組みを回すことになる。
「人」は論理的に正しいことや、ただ指示されただけでは動かない。
その中で働く人たちの理想やなりたい姿、
欲求や感情に一つ一つ寄り添い、共感し、理解し理解される。
たとえ時間がかかったとしても、
このプロセスを飛ばしてしまうと、
マーケティングは回らなくなってしまう。
僕は、以前、営業マンだった時、
これと同様のことをしていたはずでした。
ただ、「売る」のではなく、
経営者のなりたかった姿、理想の将来、欲求をまずは質問を通じて思い出してもらう。
そして、その為の方法を一つ一つ、今あるリソースで一緒に考えていく。
その中でどうしても足りない、
解決できない、
時間がかかってしまう、、、
そんな悩みが見つかった時、
その時、初めて、
自社の商品が役に立てることを紹介する。
経営者の頭の中ではすでに、欲求のアンテナが立っているので、
ことさら僕が売らなくても、「ありますよ」と言ってあげるだけで、
商品が売れる。
結局、この時僕は何をしてたのかというと、
「本人の中にある、『解決したい』という欲求を引き出していただけ」
であり、
前提には、
「人は自分自身の力でより良くなる力を本来持っている」
というマインドセットが、
言語化されていはいなかったけど、
あったのです。
なのに、
僕は大きな組織のマーケティング担当に抜擢されたことで、
「早く結果を出したい」とコトを急ぎ過ぎました。
今、
僕が想うマーケティングコンサルタントとしてのスタイルは、
もちろん「やり方」も教えるけど、
「あり方」も整えたい。
なぜなら、
僕が「やり方」を教えてしまうと、クライアントを依存させてしまうから。
ずっとクライアントに対して僕が必要な状況を作るコトになってしまう。
あるいは、
ノウハウ・テクニックを吸収し終わったら捨てられるコンサルになっちゃう笑
(別に寄生するつもりはないけどさ)
でも、
「あり方」として、経営者自身が本当はどうなりたいのか?
そのためには今自分には何が必要なのか?
主体的に考え、自力でテスト改善し、「最適な解」を見つけ出す能力。
これを手に入れて頂くことは、
人として出来る最大限のギフトだと僕は思っています。
(思えば、僕の母親は僕が3歳の誕生日に目覚まし時計を買ってくれました。
その時に「これで一人で起きられるね」と言って。
そしてそれ以降、人生において一度たりとも母は僕を起こしませんでした。
僕はそれを、母がくれた人生最大のギフトだと今でも思っています。
3歳の時に、母は僕に「自立の種」を植えてくれたのだと思います。)
知識・スキルだけだとコンサルはできない。
僕は、僕自身の失敗を通じて強くそう思います。
そして、
「やり方」を教えて終わりではなく、
本人の中にある、本人さえも気づいていない理想の姿を引き出し、
「あり方」まで整えるコンサルタント。
そんなコンサルタントでありたいなって思います。