From:マーケティングコンサルタント 新井翔平
実は学生時代、化学者になろうとしてました。
いや、「なりたい」というプラスな動機なんてどこにも実はなくて、
高校生の時の化学の先生が、
なんというか、論理的に説明する姿がちょっとだけカッコよかったんですよね。
大した憧れとかがあったワケでもなく、強い動機もなく、
ただ惰性でバイトして、
大学行きながらもずっと
「大学って意味あるのかな~」
「退学して海外行こっかな~」
「就職しよっかな~」
「俺なにやりたいんだろな~」
と思いながら、イヤイヤ実験とかやってました。
ひどいんですよ、「実験」って。
すごく予定が組みにくい時間割とかにされちゃうんです。
朝一限に来て仕込みをして、4限、5限に実験、とか。
その隙間時間とかヒマで仕方なかったですね。
(今思えばこの時間で転売とかアフィリエイトとか、なんでもビジネスやって商売勘を養っておけば良かったのになってちょっと後悔してます)
4回生にもなれば就活しながら研究室に篭って、
教授からあまり興味もないテーマを与えられるワケです。
水にも溶けない、油にも溶けない新素材ポリマーがどこまでの環境に耐えられるか?
みたいな。
(↑これはだいぶ自分なりに口語訳をしました。テーマのタイトルは自分でも未だによく分かりません)
合理的な僕は、
「こんなん調べて就職で何に役立つんですか?」
とかズケズケと教授に聞いてました。
松本教授というお爺ちゃん教授はことあるごとに僕のことを可愛がってくれて、
名誉なのか不名誉なのか、唯一あだ名までつけてくれました。
「したたかな生命体 新井翔平」
(今思えば悪くねーじゃん、やるな松爺ィ 笑)
可愛がってくれるきっかけになったのは、講義アンケートで「こんな講義意味ない」って散々ディスりまくったからでした。
あの人も変わり者でしたね。
「求められるものだけ研究しても裾野が広がらない。」
「一見無用に思えることを我々教育機関は研究することでこの国の裾野を広げることになる。」
「何に役立つかなんて考えず、まずは与えられたものに取り組んでみなさい」
役に立つこと(短期的利益)しかやりたくなかった僕にとっては、、、笑
極めてめんどくさい時間でしたが、単位がもらえなくなるので渋々従っていました。
でもね、
今だと僕ちょっと思うんですよ。
10代とか20代の人生ってそんなもんだなと笑
【無用の用】
役に立たないように見えるものでも、
かえって役に立つこともある。
この世に無用なものは存在しないという教え。
これはとあるクライアントさんで使ってる、
経営上主要な数値を一目で一覧できる状態にまとめたものですが、
まぁ呼び方はKPIとか何だっていいです。
これともう一つ、A3一枚で財務的なお金の流れを一目でわかるようにまとめた、
和仁達也先生考案のキャッシュフローシートというのがあって、
そちらを活用させて頂いています。
実は案外、
広告が実務レベルで書けて、
マーケティングを回せるコンサルタントで、
KPIの数値をグラフ化し、
論理的に考察したり、
財務を読んで経営者と一緒に次の一手を考える人って、
あんましいません。
男でも数字に弱い人がいるというのは最近知ってめっちゃ驚いたのですが、
数字や、出て来たデータをグラフ化して次のアクションを考える、
って、
結構、研究室でやってたよね。イヤイヤながらも…笑
「餅は餅やで財務の専門家とタッグを組んだ方がいいんじゃないの?」
という意見も分からなくもないですが、
めちゃめちゃ専門的なレベルまでは要らないけど、
マーケターも、もっと財務レベルに踏み込んだ数字の見方を把握しておいた方がいいと僕は思ってます。
「顧客リストとの関係性」という財務諸表に表れない資産価値を換算できるのは、今の所マーケターの嗅覚だから。
「利益を残すくらいなら顧客を買え」
って、ダイレクト出版の小川社長が言ってましたが、
マーケターの「資産」の考え方って、財務畑の人とは少しニュアンス異なる部分があって、
この交差点にすごく価値がある気がしています。
「役に立つかどうかは考えず、まずは与えられたことに取り組んでみなさい」
そう言った、松爺ィの言葉は、
今になって「深かったなぁ」と思えるくらい、
少しだけ大人になった、
梅雨の夜なのでした。
こねくてぃんぐどっつ あらい
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